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2014年1月9日木曜日

抗生物質は何から出来てる?(クラリスロマイシンの話)

今日は私が非結核性抗酸菌症で飲んでいる抗生物質を調べてみた

私が毎日飲んでいるクラリスロマイシンは、土の中の菌(土壌菌)(放線菌といいます)
で出来ていました、知らなかった
放線菌は海洋生息環境からも発見されています
抗生物質の3分の2は(臨床的使用も含め)放線菌由来なので
抗生物質の主要な菌です
放線菌からはいろいろな薬が発見されていますので(殺虫剤なども)
世界各国は土を国外に持ち出すことを禁止していますよね
昔は外国の土の中から放線菌を取り出していました
みなさんの家の庭の土の中にいるかどうかはわかりません
放線菌はたいへん経済的で価値のある微生物で
顕微鏡で見ると、線のような形をしている菌です

ペニシリンという抗生物質が青かびからできているのは有名ですが
この世紀の発見、ペニシリンで治せなったのが結核です
この結核に効く抗生物質が、放線菌から作られました
カナマイシンは日本人が作った抗生物質です

私は抗生物質を朝だけ10錠飲んでいるのですが(3種類)
この飲み方は、濃度依存性の抗菌剤といって
濃度が濃いほど、強い効果が出るので、1回に沢山飲んで
飲む回数を減らすことが重要なのだそうです
これにより耐性菌の発生を抑えることができるようです
私はクラリスロマイシンを4錠飲んでいますが、アメリカでは5錠まで飲めるそうです
日本では4錠までとされています
量が多いだけに、副作用も多いようです、私も飲み始めてしばらくは
いろいろな不調の原因になっていました

これとは反対に、時間依存性の抗菌剤だと、沢山飲んでも効果は変わらないので
一定の濃度を保つことが重要になります
1日3回、という飲み方の薬がこれです

クラリスロマイシンは静菌なのですが、沢山飲めば殺菌効果になるそうです
静菌とは、細菌の増殖を抑える、もしくは細菌の増殖を遅くすることで
菌を殺す作用ではありません、病気から回復させるのは自身の免疫力
ということになります
こちらに詳しくhttp://kusuri-jouhou.com/microbe/seikin.html

クラリスロマイシンはどうやって菌を攻撃するのでしょうか
抗生物質の攻撃パターンはいくつかあって
1.細菌の細胞壁合成を阻害して細菌を殺す
  ペニシリンは細菌の細胞壁にペプチドグリカン合成を阻止する
  人間には細胞壁がないので、この薬の副作用は少なくて安全性の高い薬
2.細菌のたんぱく質合成を阻害する
  クラリスロマイシンのグループ、マクロライド系の抗生物質はこれです
  たんぱく質は沢山のアミノ酸の結合で出来上がっています
  アミノ酸とアミノ酸の結合のつなぎ目にあるものをペプチドといいます
  この抗生物質は細菌のペプチドが出るトンネルを詰まらせる、と考えられています
  これらの現象ははリボソームの中でおこります
  この抗生物質はこのように細菌のたんぱく質の合成を阻害します
  たんぱく質の合成ができない細菌は増殖できない、というわけです
  細菌のリボソームと人間のリボソームとは異なっているため
  人間のリボソームを損なうことはありません
  人間のリボソームはこれらの抗生物質に耐性があるので安心して使えます
3.細菌のDNAの複製や転写を阻害する
  私が毎日3カプセル飲んでいるリファンジンはこの作用をします
  この薬は細菌のRNAポリメラーゼに結合し、その役割を果たすのを
  阻止します
4.細菌のミコール酸の合成を阻害する
  イソニアジドはこの薬です
  新しい抗生物質「デラマニド」もこの作用を使っています、詳しくはこちらに
  http://unyunenemama.blogspot.jp/2014/01/blog-post_3777.html
5.細菌の葉酸の合成を阻止する
  サルファ薬剤(スルファニルアミド)
  葉酸は細菌にとっても必要な栄養である
  人はこの薬に耐えることができます

私がアメリカの掲示板を読んだときに、クラリスロマイシンの副作用で
白血球が減少する副作用で、もう飲めない、という書き込みがありましたので
調べてみると、そういうこともあるようです、こちらに
http://translate.google.co.jp/translate?hl=ja&sl=en&u=http://www.ehealthme.com/ds/clarithromycin/leukopenia&prev=/search%3Fq%3DClarithromycin%2Bside%2Beffects%2Bleukopenia%26sa%3DN%26biw%3D1092%26bih%3D482
クラリスロマイシンを飲んだ11787人を調査、その内12.5%が
非結核性抗酸菌症でした
全体の中の80人が白血球減少症になっていた、と書かれています
服用して1ヶ月以内に発症した人が72%でした
年齢は60歳以上が33%で最も多かった
このサイトの名前が「普通の人々のためのヘルスケアビッグデータ」
情報が普通の人々にもわかりやすく公開されているところがいいですね

今回はたくさんのサイトを検索して書きましたので、元記事全部を貼れませんでした
途中でフリーズしたりもしましたので
もっと知りたい、と言う方はこちらのキーワードで検索してみてください
放線菌「Antionmycetes」
選択毒性「selective toxicity」
たんぱく質合成を阻害する抗生物質「Antibiotics that inhibit protein synthesis」

関連記事:抗生物質とカフェイン
http://unyunenemama.blogspot.jp/2014/01/blog-post_22.html
関連記事:なぜ新しい抗生物質ができないか
http://unyunenemama.blogspot.jp/2014/01/blog-post.html
関連記事:抗生物質の使用がなぜ免疫を低下させるのか
http://unyunenemama.blogspot.jp/2013/11/blog-post_29.html
関連記事:自然に存在する抗生物質
http://unyunenemama.blogspot.jp/2013/11/blog-post_16.html

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

初めまして。わたしは肺MAC症と10年ほどつきあっている主婦です。
昨年11月に2年間の投薬治療治療を終え、レントゲンでもかなり影が少なくなってやれやれと思ったのもつかの間、マスクをしていたのにも関わらず気が緩んだのかひどい風邪を引いてしまい今年の定期検診で再び3種類の薬との付き合いが始まりました。現在も軽い咳が続いていて薬を飲むと体はだるいし辛いしですけどそのご褒美として呼吸がすごく楽になるので副作用のことは担当医と検査をしながら今の自分に必要なよりよい治療をしていく決意です。考えてみれば10年前に副作用の強さから仕事にも支障が出るほどでしたので一月程で薬を断念したことを今となって悔やんでいます。それでも日常の生活に気を配って早く薬が終わるよう日々の努力はしています。悲観するだけではなく、うまく付き合っていくことが必要ですね。このブログにたどり着いたことを本当に嬉しく思います。周りに同じ病気の人がいないのでとても心強いです。お互いとりあえず今の時期が風邪を引かない様気を付けましょう。

匿名 さんのコメント...

肺MACについて調べていたらこのブログにたどり着きました。
周りに同じ病気の人がいないのでここを見つけることが出来。とても嬉しく心強く思います。
度々お邪魔させていただきます。

vic さんのコメント...

1月12日 14:47にコメント入れたものです。早速返信いただき深謝です。

実はニックネームの表示の仕方がよく分からなくて匿名で送ってしまいました。今後は「vic」で訪問致しますのでよろしくお願いいたします。


何しろこちらのブログは情報量が多いので、時間を見ながら過去のものを読ませていただきたいと思います。またコメント致します。