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2015年11月29日日曜日

肺は再生するか 

臓器の再生は幹細胞研究(ips細胞なども)、組織工学研究などによって
研究が進んできています、これらを再生医療といいます。
しかし、臓器の中でも、肺の研究は遅れています。
その理由は、肺の構造が複雑であることや、
どうやって壊れた組織を治しているのか、などがわかっていないためです。
http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/publications/other/pdf/update_10_11.pdf

COPDなどの肺疾患は治療で治らないものが多く、
治らない理由として、肺の細胞が増殖しにくいからです。
増殖しにくい、といっても、肺の内部は外からの刺激から守るために、
新しい細胞によって、つねに修復されています。

また疾患によっては、肺が壊れる早さが、
再生能力を大きく上回っていることも治らない原因になります。
まずは、肺の組織の破壊を遅くする、ということが治療の前に必要になります。
COPDでは、これが禁煙になります。

そのほか、拒食症などの栄養障害でも、肺の組織は壊れますが、
栄養状態を改善することで、肺の組織が修復されることは知られています。

肺は生まれた時はまだ完成していないので。思春期まで成長が続きます。
ですから、子どもの肺は、手術で一部を切り取っても、
また成長して肺は再生されます。
これが何歳までの現象なのかはわかっていません。
犬なども再生されますが、これにはストレッチなどの機械的刺激が
成長シグナルになっていると考えられています。

ある肺移植では、おとなの年齢の肺が、
再成長したという例がありました。
38才の母親の肺を、10才の子どもに移植した時に、この肺は成長したのです。
これは、大人の年齢の肺であっても、
ある条件下では、再成長するということです。

と、ここまでは日本語の医療系サイトから、ここからは英語のサイトからです、
言ってることがぜんぜん違います。日本はまだ石器時代です。

海外では、幹細胞での再生医療は現代の医療の最も有望な分野です。
将来的には、臓器を作って、病気の臓器と交換する、という未来がくるでしょう。
そこまでいかなくても、治療法のない病気に苦しむ人々の
生活の質を向上させることが期待できます。
すでに世界で数千人の患者がそれを実証しています。
http://rehealth.com/regenerative-medicine-and-chronic-obstructive-pulmonary-disease/

幹細胞を肺疾患に使った研究は沢山あります。
肺繊維症のねずみに幹細胞を使った実験では、
病気の進行を抑制し、肺繊維症を減少させることが出来ました。
他の肺の病気でも、炎症を抑え、死亡率を減少させています。

ダヴィンチバイオサイエンス社は、すでに商業ベースにもってきていますね。
COPDの治療は臨床試験が始まっています。
韓国でも急性心筋梗塞にこのような治療を承認しています。
体内に新しい血管を作り上げるのだそうです。
幹細胞は細胞の増殖因子を放出します、これにより壊れた細胞が再生するのです。
COPDであれば、肺の繊維化を低減し、悪化を防ぐことができるのです。
今まで(日本では今でも)COPDの症状の進行を遅らせる治療法はありませんでした。

ここでひとつ心配なことは、日本ではips細胞を国をあげて応援していますよね。
海外では幹細胞という治療は夢でもSF(サイエンス・フィクション)でもなく、
もうすぐ近くの病院にやってくる新しい治療法です。
すでにこの治療をうけている人がいて、成果を出している、
ということはNHKでも触れることすらありません。
この研究はすごくすすんでいて、臓器を作ってしまおう、という話にもなっています。
将来の臓器移植は、人口の臓器で、ということで、
沢山の人が救われるかもしれません。
そうなれば、ほとんどの病気が怖くなくなりますね。

ips細胞は海外の治療に追いつくことができるのでしょうか。
たぶんできないでしょう。
ips細胞の治療実績はまだありませんし、今のところ実用化できそうな疾患は
目の病気ひとつだけです。
日本はips細胞に固執するあまり、海外で実績のある幹細胞を承認することを拒むのでは、
ということを心配します。
(実際に日本メーカーの抗生物質に固執するあまり、世界標準治療薬の承認を拒否して
 います)
日本の意地なんてどうでもいいんですけど。
ips細胞もどうでもいいです。
アメリカや韓国のように、外国で実績のある治療法をいち早く国民に届ける、
という、国が本来やらねばならない仕事をちゃんとやってください。
と切に願います。

関連記事:新しい抗生物質「ペダキリン」全世界で結核耐性菌治療に
(さきほど書いた、日本が承認をしていない世界標準治療薬です、非結核性抗酸菌症に有効)
http://unyunenemama.blogspot.jp/2014/03/sirturo.html
関連記事:日本の製薬会社が作った新しい抗生物質「デラマニド」
http://unyunenemama.blogspot.jp/2014/01/blog-post_3777.html

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