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2015年2月23日月曜日

「腸内フローラ」がNHKで放送されました

健康オタクの私も、初めて聞く内容ばかりでした。
民放の番組を見ていると、ああ知ってる、と思うことが多いのですが、
やはりNHKはやってくれます。
フローラとはお花畑の意味で、腸内に住んでいる菌たちのことです。
番組の内容はこちらの方が詳しく書いています。

腸内フローラがかかわっているのは、糖尿病、肥満、顔のシワ、がん、
そして脳への関与が大きいので、性格や神経の病気まで。
すでに30以上の病気で、フローラとの関係が見つかっているといいます。
そしてこれらの病気の治療への研究も、いくつかは実際に患者の治療に使われています。
腸内で細菌たちは、いろいろな化学物質を分泌しているのだそうです。
どの細菌がどのような物質を出しているのかの研究がすすめば、
今までになかった治療法が発明されるでしょう。

腸内の菌は、脳にどのような影響を与えているのかはまだよくわかっていません。
しかし、抗生物質を飲んでいる間、子どもの自閉症が劇的に改善した。
というニュースがあります。
http://www.healthline.com/health-news/boy-with-autism-improves-on-antibiotics-connecting-gut-bacteria-to-asd-032415#1
抗生物質を飲むと、腸内の細菌は薬の効果で、沢山死んでしまいます。
このことと、自閉症の変化に関係がありそうだ、ということです。

私が興味を持ったのは、ある病気(たぶんクロストリジウム・ディフィシル)では、
全身に異常のでる難病(アメリカで毎年1万人が亡くなっている)の患者が、
「便微生物移植」という治療で、すっかりよくなったという例です。
この治療によって、数週間寝たきりだった患者が、24時間後に家に帰った、という
例があるほどだ。
健康な人の腸から、便をもらって患者の腸に移すという治療。
内視鏡を使うようです。
治療によっては、腸内の菌の全てを入れ替えるという。
このような治療がこれからあらゆる難病、特に自己免疫疾患などにも、
治療の道をひらくかもしれない、と思いました。
免疫は、ほとんどが腸内でコントロールされているからです。

BBCの記事でも、抗生物質の神話が崩れた今、このような便での治療を紹介している。
この治療には偏見が多く、普及するまでが大変だったという歴史が書かれています。
なにしろ「ウンチ」ですから。
患者も嫌がる人が多かったと言います。
便の中の悪い菌が心配だという専門家の意見もありました。
今ではすでに多くの人の命を救った実績があるために、
日本で紹介された時には、誰もが受け入れることでしょう。
ある病院では130人の患者の95%が成功だったという。

私の病気、非結核性抗酸菌症は、治療で沢山の抗生物質を飲むため、
抗生物質によって腸内のバランスが壊されて、出血性の腸炎を起こすことがあります。
このような病気には、この便での治療は効果てき面なのです。
日本の病院でも、やっと臨床試験が始まった、と番組では言っていました。
海外では、抗生物質を飲む前に自分の腸内の菌をとっておいて、
治療後に戻す、という試みもあるそうです。

しかしこの便を提供する人は、抗生物質を多様している先進国の人より、
発展途上国の人の方が、よりワイルドな菌を持っていていいようだ。
菌には抗生物質による耐性が問題になるからだ。
しかし、アフリカやアマゾンでは、寄生虫などが問題になる。
将来的には、うんちをカプセルにして飲む、ということになるかもしれない。
これはカナダのカルガリー大学で研究されているそうです。

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