うちの子はありえないくらいこき使われて、へとへとになって帰ってきました。
仕事の話をする娘は半泣きになっていました。
朝8時に家を出て、5時に帰ってきます。
9時から4時まで、ひとりでもくもくと袋詰めをします、手の皮がむけるまで。
同じ姿勢で立ちっぱなしなので、
パートさんに「慣れるまでは腰が痛くなるのよね」と言われましたが、
慣れる頃に職業体験は終ります。
あまりにもかわいそうなので、後半は休ませました。
これでは体験ではなく、児童労働でしょう、無給なのですよ、ひどすぎます。
おかげで子どもは「このチェーン店では一生買い物はしない」と言っています。
さらにパートのおばさんに「しょがないわね、私があとはやっておいてあげるわ」
などと言われ、本当にかわいそうでした。
この人は社員から「ババア」と呼ばれていたそうです。
東京なので、国立科学博物館や銀行なども受け入れてくれています。
ケーブルテレビの会社、動物病院、税務署、美容院、接骨院、スポーツクラブ、
消防署もありました。
担当者に「あんまり一生懸命働かないでね」と言われたりします。
友達はレストランで3時間しか働かないとか、児童館は子どもと遊ぶだけとか、
定休日があれば、その日は学校に行って自習だったり、
場所によってとても格差のある内容です。
老人ホームは、子どもにまかせられるような仕事がないので、
テレビでも見てて、と言われたそうです。
うちの子ほどのひどい職場は他にはないようでした。
学校によっても内容が違っていて、うちの子の学校は
先生が全部セッティングしているのですが、
知り合いの学校では、生徒に「自分で仕事を探しなさい」と言うそうです。
親戚にフジテレビの社員がいる子は、フジテレビで職場体験をして楽しかったとか。
うちのもう一人の子は、鉄道が好きなので、鉄道会社で職場体験をして、
電車の掃除をしたり、貴重な体験ができ、本当に楽しい数日だったようです。
時には、生徒が問題をおこすこともあるようです。
先生から話があったのは、その先生の以前勤務していた学校での話です。
男子生徒が「働きにきてやってるんだ」と言い、
あまりにも態度が悪かったので、その職場に後日、
本人と保護者、教師で謝りに行ったそうです。
すると「以後、職場体験はお断りします」と言われてしまったと言います。
授業の趣旨は、将来の職業選択のため、ということなのに、
それをアミダで決めるといことに、子どもは不満を持っています。
本当はニートを減らすため、なのですがね。
この体験授業は、阪神大震災をうけ、17年前から行われていて、
兵庫、富山で成果があったので、全国に展開したという。
http://www.myilw.co.jp/life/publication/quartly/pdf/82_03.pdf
しかしここに書かれている成果、というのが、統計でも調査でもない。
海外であれば、10年間の追跡調査があるのだろうが、
日本だからそういうものはない。
職業体験をうけた生徒の何割がニートや引きこもりになったのかが知りたいところです。
成果と書かれているのは「こどもの考え方にいい影響があった」とか
「保護者との話し合いのきっかけになる」のような抽象的なことばかりです。
しかし今では「14歳の挑戦」と言われ、全国で行われている。
ちなみに、うちの子がこの体験によって得たものは、
こんな職場で働く「はめ」にならないように、
勉強をがんばろう、という、学校の報告書には書けないような感想でした。
うちの子はすでにパソコンの資格を持っているのですけどね。
労働の喜びは、何と言っても「お金がもらえる」ことでしょう。
やはりニート防止には、学生時代にバイトをするのがよいのでは?
バイトで彼女ができたり、そのまま結婚したりもよくききます。
欲しいものを買う、という目的があって、働く、そうすると欲しいものが手に入る。
これが働く目的、働く喜びでしょう。
うちの子には「ニートなんて私は面倒みませんよ、ご飯たべさせませんよ」
と言ってあります。
仕事をしない若者が生きている、っていうことは誰かが面倒をみている、っていうことですよね。
英語のサイトでは、みんなが「働かない子どもの面倒をみるな」
と書いています。
この授業の趣旨と相反して、学校では「将来の夢」ということを、よく言われます。
「夢」でご飯が食べられるのはほんの数人でしょうから、
「夢」ではなく、現実を教えてもらいたいものです。
やりたい仕事ではなく、自分に出来る仕事をするのだ、
という現実をです。
そして、自分には何が出来るのか?という問いかけをすることが大事だと思う。
「夢」とか、もうやめてほしい、と子どもも言っています。
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