Translate

2015年11月16日月曜日

肺が病気になる理由 

それは、肺の内部は絶え間なく、細菌、ウイルス、大気汚染物質など、
さまざまな傷害をおこす物質に直接さらされているからです。
肺はこのようにご苦労様な臓器なのです。

人間は1日に2万1600回呼吸をして、2万リットルの空気を呼吸します。
これには、8500個/㎥の細菌と、100㎎のほこりが含まれています。
これに対するため、気道粘膜はそれぞれの異物のサイズにあった防御を用意しています。

気道を守るのは、粘膜繊毛装置です。
気道に付いたほこりなどは、粘液によってとらえられ
繊毛の運動で、ゴミは粘液と共に、食道に飲み込まれます。
分泌作用そのものがゴミの除去をするのですが、分泌液には、
リゾチーム、ラクトフェリンなどの、抗菌物質が含まれています。
去痰剤は、気道の分泌作用を促進したり、痰が粘着しにくくするための薬です。

空気を吸う時には、口の中や咽頭で分泌されたものと、その中にあるゴミなどが
一緒に吸入されてしまうことがあります。
その中に細菌などが入っていて感染の原因になることがあります。
しかし肺には免疫作用と浄化作用という防御システムがあります。
浄化作用は、呼吸の始めの鼻毛から、肺の末端の肺胞まで、
至るところに存在しています
それをかいくぐって感染してくる菌はなかなかのツワモノです。

呼吸システムの末端である肺胞では、酸素と二酸化炭素の交換が行われるために、
粘液での防御ができません。
そこで、肺胞での防御には肺胞マクロファージがあたります。
炎症がおきると、血液中を循環している白血球(特に好中球)が集まってきて、
炎症の原因になっている細菌などを食べてしまいます。
http://www.tm.nagasaki-u.ac.jp/internal/respiratory.htm

免疫力を上げる、ということはこの作業を強くする、ということです。

ところが、どうしたことか、肺の最後の砦(とりで)であるマクロファージなどの
免疫に誤作動が生じて、炎症を広げてしまうことがあります。
抗生物質で細菌を殺しても、炎症が治まらない、ということがあります。
仕事を終えた好中球は死んで、これをマクロファージが掃除するのですが、
この掃除がうまくいかないと、死んだ好中球はゾンビになって、
毒を吐き出すようになります。
この毒(炎症性サトカイン)が炎症を蔓延化させてしまうのです。
このように、このシステムが破綻する原因には、喫煙などがあります。

薬が効かない、という時にはこういうことがおこっていることがあります。
以上、微生物の侵略を許してしまった肺のいいわけでした。

私は非結核性抗酸菌症という病気なのですが、
ある病院のサイトにには「この病気は増加の一途をたどっていて、
呼吸器科の病気としては、現在最も注目されている病気のひとつです」
と書かれていました。
呼吸器科にはたくさんの病気があるのに、最も注目されているそうです。
でしたら、これから研究者も増えて、研究が進むのでしょうか。

関連記事:お茶の入れ方で免疫力アップ
       (マクロファージを活性化させる物質が緑茶から出てくる入れ方です)
http://unyunenemama.blogspot.jp/2015/07/blog-post_4.html

0 件のコメント: