海外にはCU(コンバッショネート使用制度)という制度があって、
命を危険な患者に対して、例外的に未承認の薬の使用を可能にする、という制度があります。
呼び方は国によって違います。
この素晴らしい制度は日本にはありません。
欧米の制度ですが、韓国にはあります。
韓国は医療に力を入れていますよね、日本と違って。
今話題の「デング熱検査キット」日本で使っているのは全て韓国製だそうです。
CUは、エイズ、ガン、珍しい病気がこの制度の対象になります。
各国の制度について、こちらに詳しく書かれています。
http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~utdpm/paper2/2013_cu_teraoka-tsutani.pdf
日本でも、議論はされているそうですが、日本の議論はなが~くかかるから・・・
しかし、生活保護を受けている人には、公費で未承認薬を使える、という
制度があるらしいです。
それも、なにかあったら、全て医師の責任で、となっているそうです。
なんだか怪しいこの制度はここに詳しく書かれています。
http://www.hoken-i.co.jp/outline/h/post_397.html
私は非結核性抗酸菌症という特効薬のない病気なので、
ネットをよく見るのですが、世界には沢山の薬があっても、
新しい薬が開発された、というニュースを読んでも、
「日本で使えるのはさらに10年は先だろうな」といつも思います。
この点では、日本は本当にダメな国なのです。
オーストラリアでは、命が危険な場合は、未承認の薬を使ってしまっても、
事後承諾でよい、とされているそうです。
外国のこういう合理的な考え方、好きだな。
欧米の「スタンフォード感染症治療ガイド」という、感染症治療のバイブルと
いわれる本があるのですが、これを日本向けに解説したものには
「日本では使えない薬剤も多いので、このガイドが日本でそのまま使えるとは言えない」
と書かれています。
つまり、欧米では普通にできる治療が日本ではなきないから、ということです。
世界中で使えるのに、日本だけ使えない、という抗生物質の話も以前書きました。
捨てる神はあっても、拾う神がいないのが日本です。
日本にも、ちょっとクレージーでもいいから無敵の神に降臨して欲しかったです。
特に抗がん剤は日本で使えない種類が多く、個人輸入で買う人もいる、
とテレビで見たことがあります。
(日本は個人が勝手に海外の薬を買って、個人で勝手に使用するのは自由です)
当然保険は利きませんから、すごい金額になるそうです。
患者さんは「病気が治ってもその後生きていけない」と言っていました。
薬の安全性を確かめるのに時間がかかるから、承認に時間がかかる、
と言いながら、個人輸入は自由、とは矛盾してないんですかね。
でも、個人輸入を取り上げられたら、困る人もたくさんいるでしょう。
海外には偽薬を平気で販売するサイトもあるし、
体格などの違う民族で安全性が確認されても、日本人にあうかどうかはわかりません。
それを厚生省のような国の機関が認めて安全に使えるようにするのが、
この制度の重要な点です。
でも、厚生労働省は、仕事が増えるから嫌がるでしょうね。
日本はこんな最低の国なのだから、せめてCUの制度くらい作ったらどうよ。
患者の立場から言わせてもらえば、どうせ死ぬんだから使わせてよってこと。
なんでこの国の役所と政治家はこんなに無能なのだろう・・・
日本のダメな所は、日本のテレビは伝えない、
と誰かが書いていましたが、
世界にあるCUという素晴らしい制度を、多くの日本人が知ることが、はじめの一歩かな。
関連記事:非結核性抗酸菌症に「リネゾリド」は使えるか
http://unyunenemama.blogspot.jp/2014/09/blog-post_7.html
関連記事:新しい抗生物質「sirturo」全世界で(日本以外)結核耐性菌治療に
http://unyunenemama.blogspot.jp/2014/03/sirturo.html