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2015年5月29日金曜日

非結核性抗酸菌症、もし新しい薬が見つかったら

今回は薬が見つかる、と書きました。
これは、よくあることなのですが、
既存の薬(すでに発売されている薬)で、他の病気に使われていた薬が、
実はほかの病気にも有効だった、という話があります。
これは新しい薬が開発されたのとは違うので、見つかる、と書きました。

非結核性抗酸菌症でも、そういうことがないかな、と考えてしまいます。
でも、もしそういう古くて新しい発見があったとして、
その薬が、日本で(日本は本当に時間がかかるから)使えるようになるには、
どれくらいの年月(月日じゃないですよ)がかかるのでしょう。

アメリカFDAが、肺の病気「LAM」に既存の薬を承認した、
というニュースがありました。
アメリカで承認されたのは昨日なので、
この薬は日本の患者には当分使えません。
しかし、既存の薬ということは、すでに副作用の問題は少ない、ということです。

この「LAM」という病気は、30代の患者が多い、ということを除けば、
症状などは、非結核性抗酸菌症によく似ています。
しかし、原因は違います。
リンパ脈管筋種症といい、
日本では難病認定されて(27年度から)、医療費の補助があります。
うらやましいですね。

今回FDAが認定した薬は1999年に腎臓移植の拒否反応を防ぐ薬として
承認された「ラバミューン」という薬です。
この薬が承認された試験では、
LAMの患者89人に12ヶ月、この薬かプラセボ(偽の薬)を服用してもらった。
ラバミューンを服用した人たちでは、病気の進行が遅かった。
そして、この薬の服用をやめると、プラセボを飲んだ人と同じように悪化していった、
ということです。
既存の薬は副作用が少ない、とさきほど書きましたが、
致命的な副作用がない、ということで、副作用はあります。

副作用は、口や唇の潰瘍、下痢、吐き気、のどの痛み、にきび、
胸の痛み、足のむくみです。

たった1年、たったこれだけの試験で承認されてしまうなんて、
本当にアメリカはうらやましい国です
良さそうだから使ってみましょう、というのはフロンティア精神(開拓精神)でしょうか。

一方現在日本でLMAの治療に使われている薬「シロリムス」はどうでしょう。
2006年~2010年に世界で薬の開発、有効性の試験が行われました。
その結果、この薬が肺の機能低下に効果があることが証明されました。
たぶん、この時点でアメリカでは治療に使われているのでしょう。
しかし日本で試験がはじまったのは2012年。
そして実際に治療で使えるようになったのは2014年7月。
遅いですね。
このタイムラグの間にも死んでしまう人がいるでしょうにね。

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