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2015年9月18日金曜日

非結核性抗酸菌症で体重減少 

NTMで体重が減少する理由はまだよくわかっていないようです。
しかし、COPDである肺気腫での体重減少についての新聞記事がありましたので
ひょっとしたら同じような理由があるのかもしれないので、
参考までに書いておきます。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/cont/health_news_manande/2-0017241.html

COPDでは7割で体重減少が見られるそうです。
そもそもCOPDとは何でしょう。
喫煙などによって、気管支の先にある肺胞という器官が壊れてしまって
酸素の取り込みが困難になってしまう病気です。
アメリカでは死亡原因の第4位になるほど患者が多く、
仕事が出来なくなる病気の第2位(1位は心臓病)でもあります。
COPDはタバコが原因ですので、常に肺がんの心配がつきまといます。
感染症であるNTMではそのような心配はあまりありませんが。
COPDの患者の50%は診断されてから10年ほどで命を落とすという厳しい病気です。
ではこのCOPDで体重が減少する原因です。

1.COPD患者は、呼吸が荒くなり、安静時エネルギー消費量が15~25%増加する。
  健康な人では呼吸運動に消費するカロリーは1日150cal。
  しかし呼吸数が2倍になると、消費カロリーは4倍(600cal)
  呼吸数が3倍になると、10倍の1500calが必要になることもある、といいます。
  だから、今までと同じ量を食べていても足りないのです。

2.肺に空気が溜まるために(完全には息を吐き出せないから)
  横隔膜が下に押されて、胃が圧迫されて、いつも満腹感を感じてしまう。

3.息切れのため、食事を摂るのが困難になるから。

4.血液中の腫瘍壊死因子と呼ばれる物質の濃度が増加するから。
  (タバコによる全身の炎症を攻撃する物質)

5.運動をすると息切れがあるので、運動量が減ることで食欲不振になる。

6.ホルモンのバランスが崩れ、たんぱく質の代謝が悪化、
  そのため骨や筋肉(大腿筋力低下など)が減っていくので。

7.抹消筋機能不全(たぶん酸素が足りなくて)によって脂肪が減少。

8.全身的な酸化ストレスで全身的に炎症がおきてしまうから。

9.食事によってお腹が大きくなると、横隔膜が上に押されて、さらに呼吸が苦しくなるから。

10.気分が落ち込んで食欲が低下してしまう。

11.体重を減らす血液成分のひとつ「TNF-a」という物質が増え、
   体重を増やす脂肪組織から分泌されるレプチンという物質が減少していることが
   知られています。

12、炎症性サトカインは代謝亢進だけでなく、摂取抑制因子としても働くから。

13.薬の副作用で味覚障害がおこることがある。

14、安静にしすぎる、食事を摂らなくなることにより、さらに筋肉量を減らしてしまって、
   食事に必要な筋肉までも失ってしまうことがある。

全身性の炎症はたばこが原因なので、非喫煙者にはあてはまりません。

COPDの治療は、まず禁煙することです。
COPDはかなり過酷な病気なのですが、診断後でも、
禁煙できる人は半分にもならない、と言います。

次回は体重減少の対策を書きます。       

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