「HTLV‐1を知ってください」と書かれたポスターを厚労省が作っています。
そのポスターに「はたらく細胞」のヘルパーT細胞のキャラクターが
起用されているので、興味を持って調べてみました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000197632.html
HTLV‐1、なんでしょう、全く聞いたこともありません。
そもそもなんでヘルパーT細胞なんでしょう。
HTLV‐1は、血液中にあるTリンパ球に感染して白血病をおこすウイルスです。
(Tリンパ球の種類のひとつがヘルパーT細胞です)
日本では縄文時代から感染があった、とされています。
このウイルスの感染者は全国に108万人もいると推定されています。
もともと九州などで感染者が多かったのですが、
最近は首都圏などでの感染者の増加が懸念されています。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dl/htlv-1_f.pdf
こんなに感染者がいるのに、なぜこのウイルスが知られていないのか。
それは、感染しても生涯発症しない人がほとんどだからです。
白血病になるのは40年の潜伏期間後、感染者の4~5%(男性に多い)
骨髄症になる確率は0.3%。
ぶどう膜炎は0.1%です。
ぶどう膜炎と骨髄症は若い人でも発症します、これは女性に多いです。
認知度が低いので、病院ですぐに診断されない可能性が高いといいます。
感染経路は母子感染、性交渉、輸血ですが、
日本の献血血液からは感染することがないように対策がとられています。
しかし、エイズなどと同じように、
注射器や不衛生な入れ墨など、血液に触れることは感染の可能性があります。
普通のウイルスに対しては、アニメで毎回白血球が闘っているように、
免疫細胞が駆除して、抗体が作られます。
しかしHTLV‐1は、免疫に駆除されることなく、Tリンパ球の中で
生き続けることができます。
普段免疫としてウイルスを駆除するのが仕事のヘルパーT細胞が
ウイルスを体の中にかくまっているなんて・・・
これをアニメにしたら、ヘルパーT細胞のお腹からエイリアンが出てくる、
という衝撃シーンになるでしょう。
検査は、妊娠している人には、産婦人科の検査の中に含まれているますが、
その他の人は、保健センターで検査ができます(無料)
ひょっとしたら、こんなウイルスを自分も持っているかもしれないのですね。
人間、どんな病気で死んじゃうのか、
ほんとにわからないものです。
私が厚労省のこのポスターを知ったのは朝のニュース番組です。
厚労省に、ある団体が陳情に来た、というニュースでしたが、
その時、厚労省内に貼ってあったこのポスターがテレビに映りました。
このポスターに気が付いたのは私だけではなかったようで、
このポスターは、ツイッターでも話題になりました。
みんなのために、働け細胞。
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