それは、人によって、持っている酵素が違うからだそうです
薬を分解する酵素はチトクローム450というものがあります
薬の96%はこの酵素で分解されるのですが
この薬自体が、この酵素を破壊してしまうので、薬の分解が進まず
体の中の薬の濃度が濃くなって副作用が出ます
アンパンマンが自分で自分の顔を食べてしまう、みたいな感じでしょうか
それでバイキンマンが笑ってしまう?
この酵素の量や、働き具合も個人差があって、それで副作用には個人差があるのです
この酵素は、小腸と肝臓で薬を分解します
加齢とともに、肝臓が小さくなって、血流量が減少するため
肝臓のチトクローム450酵素を使った代謝能力は30%以上低下します
それで、この酵素を使うクラリスロマイシンのような薬は
高齢者では体内で濃度が長時間高い状態になり、副作用が強く出ます
言いかえれば、薬の副作用が強くなるのは、効き目がよすぎる、とも言えます
それで、高齢者では、毎日飲まないで、週3回のような飲み方でも効果が期待できるのでしょう
副作用で薬を減らす、というのは精神的にへこみますが
薬のよく効く体質なのだ、といいほうに考えられますよね
チトクローム450は、いくつかの酵素の総称で、代表的なものは5種類あります
クラリスロマイシンを分解するのはCYP3A4といい(P4503A4)とも書きます
チトクローム450は、ビタミンDの活性化、ステロイドホルモンの合成にも関わっています
CYP3A4という酵素を働かなくするものに、グレープフルーツがあります
グレープフルーツを食べて酵素が働かなくなっているところに
クラリスロマイシンを飲むと、薬の分解が遅くなり、体の中で長時間薬が強く残り
強い副作用が出てしまいます
まさに禁断の果実
それで、グレープフルーツは、薬を飲む時には食べてはいけない、と言われます
その酵素のひとつ、CYP2C19という酵素はオメプラゾールという薬を代謝しますが
この酵素を全く持っていない人は
欧米では3%、日本人では20%もいると言われています
この酵素を持っていない人では、薬の効き目がすごくよくなって
効き目が10倍にもなってしまうそうです
日本人と外国人の効き目の違いとは、こういうことだったのですね
それで外国では使える薬が日本では試験をし直さないといけないわけですか
薬をその人にちょうどいいだけ処方する、という試みも行われているそうです
それにはCYPという酵素をどれだけ持っているのか調べる必要があり
これがどこでも出来る検査ではないので、まだまだ難しいところです
ところで、飲んだ薬はどこにいくのか、今回初めて知りました
知らなくても効くからいいんだけど
まず薬を飲みます、薬は腸から肝臓に直行します
肝臓では酵素(薬物代謝酵素)で薬を分解します
こうして薬は何度も何度も体をめぐって、そのつど働くべき臓器に薬を届け
だんだん効き目を失いながら、肝臓か腎臓から排泄されます、ご苦労様
今日はこちらの日本のブログを貼っておきます
私はこちらのブログを写したのではないのですが
最後に読んだこちらのブログにやさしくまとめてありました
なのでわざわざ読みにくいサイトを貼ることもないかな、と思いました
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2010-02-25
このブログの筆者は病院の先生なのですが、こんな面白い記事も書いています
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/archive/c2304113524-1