Translate

2015年7月12日日曜日

ゼラチンの健康効果

欧米では長い間、コラーゲンたっぷりチキンスープは
風邪の治療薬とされてきました。
チキンスープには軽度の抗炎症作用があり、
上気道感染に効果がある、という研究です。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11035691
医学の研究が紹介される、米国国立衛生研究所のサイトです。
チキンスープのコラーゲンがのどの内側を修復してくれるのでしょうか。
私の期待は、肺の中まで修復してくれないかな、ということです。
南米には「肉のスープ(broth)は死人を生き返らせる」
ということわざがあるそうです。

ゼラチンはコラーゲンですので、
お肌をツルツルにし、関節軟骨を再生させる、という研究は以前書きましたし、
それは一般的にも知られています。
目新しいかったのは、ゼラチンに含まれる「プロリン」と「グロシン」という成分が
いろいろと健康を助ける、という話です。
http://www.westonaprice.org/health-topics/why-broth-is-beautiful-essential-roles-for-proline-glycine-and-gelatin/

「プロリン」とは・・・たんぱく質などを構成するアミノ酸のひとつです。
  http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/proline/
プロリンはビタミンCと共に作用して、
コラーゲンや軟骨の合成を促進し活性化させ、
壊れたコラーゲンを修復する働きがあります。
また、体が健康な細胞を作る時に使うたんぱく質を分解する働きがあります。

変形性関節症や腰痛に効果があるのはもちろんですが、
筋肉を維持するのにも貢献している。
特に心臓の筋肉の合成に関わっているので、心臓の健康にも大切な成分です。
また、怪我を治す時に、皮膚を再生させるのにも不可欠です。

プロリンを多く含む食品・・・・豚肉、動物性ゼラチン、マショマロ、グミ、ゼリー
    焼き麩(小麦たんぱく)、湯葉、高野豆腐(大豆たんぱく)

「グリシン」とは・・・・コラーゲンを構成するアミノ酸で、神経伝達物質でもあります。
     コラーゲンの3分の1を占めています。
http://report.ajinomoto-kenko.com/suimin/glycine.html
日本では、グリシンは睡眠の質を高める物質としてよく書かれていますね。
普通の食事で摂れるグリシンは1日1~2グラム。

グリシンは胃酸の分泌を増やして、消化をよくする働きがあります。
胃酸の減少は、老化、遺伝、薬の服用でもおこることがあります。
胃酸が少ないと、たんぱく質の消化と、ビタミンCの吸収を損ないます。
またビタミンBを壊し、ミネラルを阻害してしまいます。
健康の維持には、たんぱく質を消化する能力は重要です。
グリシンは牛乳や乳製品の消化を向上させる。
牛乳を母乳に近くすることができるといい、赤ちゃんのミルクにも添加される。
グリシンの欠乏は、乳幼児の成長を遅らせるといいます。

グリシンは細胞を損傷した時の修復にも使われます、
損傷修復にはアルギニンも有効です。
しかし普段からこれらは必要な成分であるため、
怪我をした時には普段よりも多くのグリシンが必要となります。
また貧血患者も鉄の合成のために普通より多くのグリシンを必要とします。
アメリカにはこれらのサプリがありますが、
なんでも摂りすぎはよくありません、サプリでの過剰摂取には害がでます。
さらにひとつのアミノ酸だけを過剰に摂取すると、命に関わる副作用も出ます。
そしてビタミンAやビタミンD、Cと一緒に摂ることが効果を高めます。
バターや卵黄などが良いようです。

グリシンが豊富な食べ物は、豚足、ゼラチン、えび、ほたて、かに、カジキマグロ、
大豆製品、カツオ(グリシンは旨みの成分でもあります)などのたんぱく質です。

ゼラチンの健康効果はほかにもあります。
豆類の消化率を向上させる。
たんぱく質の消化を助ける。
胃粘膜を保護する。
アレルギーの軽減(ゼラチンにアレルギーがある場合を除く)
肝臓の解毒効果を高める。
骨粗しょう症を軽減。

ゼラチンを食べる時の注意は、絶対に電子レンジにかけない、ということです。
体にいいプロリンはD-プロリンといいますが、
マイクロ波による加熱は、D-プロリンをL-プロリンに変化させてしまいます。
分子的な破壊がおきるためで、構造的、免疫学的な変化をおこします。
Lの方は肝臓、腎臓、神経に対して毒性があります。

はじめの「死人を生き返らせる」で思い出した余談ですが、
私がよく引き合いに出すCDC(アメリカ疾病予防管理センター)(日本の厚生省)の
サイトの中に「ゾンビから避難する方法」というのが書かれている、
と一時期話題になりました。
私も読みましたが「家族で避難場所を話し合っておきましょう」などと
真面目に書かれています。
もちろんこれはジョーク。
このサイトに興味を持ってもらうため、と、
日頃から家族で、危険な病気の流行時や災害の避難などについて話し合う
機会を作ってもらうために書かれたそうです。
日本のお役所にも、こういうユーモアを持ってもらいたいですね。

関連記事;変形性関節炎にゼラチンが効くという研究
http://unyunenemama.blogspot.jp/2015/05/blog-post_27.html
関連記事:のどの痛みにマショマロ
http://unyunenemama.blogspot.jp/2015/03/blog-post_99.html

0 件のコメント: