「病院ラジオ」という番組を見た。
え?何?と思ってつい見てしまった。
たまたまその回は小児病棟だったので、
大人とは違った雰囲気だったのかもしれない。
はじめに思ったのは、よくこの企画が通ったよな、ということ。
病院内でラジオ放送をする、という内容。
お笑い芸人が司会で、入院患者がゲスト、という構成。
病気ってすごいデリケートなことなのに、
子どもたちは名前と病名を告げて、普通に笑いながら話していた。
大人だったらどうなるんだろう。
子どもたちは、産まれた時からその重い病気を持っているようで、
病気、入院、手術が日常であるかのようだった。
大人より、病気であることの苦しみをクリアできている。
とても不思議な空気だった。
大人だったら、自分だけが苦しんでいる、死んでしまいたい、
などの思いに至ることもあるのではないか、と思いながら見ていた。
司会は「聞いたことのない病名ばかり」と言っていたが、
治療法が確定されていない病気も無数にあるだろう。
私の病気、非結核性抗酸菌症は、治療法が確定していても、
その治療で治らない、なんて病気だってあるのだ。
司会のふたりの言葉の選び方がとてもうまいと思った。
でもそれは、細心の注意を払って言葉を選んでいるからなんだろう。
このふたり、よくこんな大変な仕事をうけたなぁ、と感心する。
私は持病もあるし、高齢者の仕事をしているので、
私にとっても病気は日常だ。
病気を持っていない高齢者なんてほとんどいない。
病気と言っても、薬を飲む、なんて程度ではない。
食事が摂れない、動けない、ほとんど意識がないレベル。
でも入院はもうしない、という感じだ。
日本は高齢者の治療をしすぎだから、
これでもさんざん治療してやっと治療をやめた、というところ。
病気は、かわいそうなのだろうか。
日本人の自殺では、病気を苦にして、というものが多いという。
ある少女は「なっちゃったから、しょうがないかな」と言っていた。
なぜ生きるのかを考える番組なのかな?
病院の中って一種独特な世界だからね。
健康はすばらしい、という啓蒙で医療費を減らそう、という趣旨かもしれない。
こういう番組は若い人にこそ見てもらいたいけど、見ないだろうな。
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