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2015年3月28日土曜日

オバマ大統領が「抗生物質耐性菌」について大統領命令

アメリカ、オバマ大統領が、抗生物質の乱用で多剤耐性菌が出現して
今の医療が崩壊することを止めるための大統領命令に署名した。
5ヵ年計画の数字は具体的で、細かな行動までしっかり計画されている。
このような耐性菌にたいする国家戦略がたてられたのは初めてだという。
http://www.theguardian.com/us-news/2015/mar/26/white-house-antibiotic-resistance-plan
ガーディアンの記事です。

専門家たちは何十年も前から、耐性菌で数万人の死者が出ることを
警告してきたが、
今では年間200万人が感染し、アメリカで2万3千人が死亡する事態となっている。
これは医療だけではなく、家畜への抗生物質の投与が鍵となっているので、
国をあげての対策が欠かせない。
アメリカで販売される抗生物質の70%は家畜に投与されているのです。
アメリカマクドナルドでは、抗生物質を使った鶏肉の使用を中止することに
したそうです。

国として対策をしなければならない要因としては、
多剤耐性菌は、外国から持ち込まれることが多いということがある。
特に多いのは「インド」と言われているが、今回の対策には、
これらの国からの帰国者の検査などの総合的な対策も含まれている。

日本の厚生労働省では、院内感染に対して7000万円程度の予算があるようです。
http://www.mhlw.go.jp/jigyo_shiwake/gyousei_review_sheet/2013/h24_pdf/072.pdf
今回のアメリカの予算は、12億ドル(1兆4400億円)。
これは前年の倍増、とうことは、常にこれらの予算が組まれているようです。
そして院内感染に対するプログラムの徹底や、
耐性菌の検出キットを開発した人に、賞金2千万ドル(24億円)も用意された。

そして対策の目標には、明確な数値も設定されている。
クロストリジウム・ディフィシルの感染を50%削減。
カルバペネム耐性腸内細菌を60%減少させる。
MRSA血流感染を50%にする。

抗生物質が全く効かなくなる、という怖ろしい未来が来ないように、
祈るしかありません

日本の政治家の発言は「それらの問題については、厳正に対処し、問題の
解決に全力で取り組んでまいりたいと考えております」という
おきまりの、それでいて、何が言いたいのか全くわからない
答弁が繰り返されるのに対して、オバマ大統領の明瞭な対策には、
ため息が出るばかりだ。
日本のコメディアンが政治家の役をやる時に「体の力を全て抜いた」
という演技は、国会中継で見る政治家にそっくりだった。
日本人ってかわいそうなんだな、と思う。

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