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2018年11月22日木曜日

アマンタジン

この薬は、もともと抗ウイルス薬として1959年にアメリカで開発され、
A型インフルエンザ患者に投与されました。
しかし日本では1975年に、パーキンソン治療薬として発売されます。
日本でこの薬はインフルエンザに使用されるようになったのは、
1997年からです。
この薬にはもう一つの使い道があって、
それは脳梗塞の後遺症で、意欲や自発性の低下を改善する、というものです。

一つの薬にこのような全く違った使い道がある、というのは
とても不思議です。
これは、はじめから意図されていたものではなく、
偶然に発見されました。

アメリカで、パーキンソン病の患者がインフルエンザになった時に、
この薬を投与したところ、この患者の手足の震えに改善が見られたのです。
これを見逃さなかった医師は素晴らしい医師だと思います。
脳梗塞の後遺症に効果が見つかったのも、
同じような経緯です。

アマンタジンの副作用は、気分が落ち込む、不眠などの中枢神経系のものがある。
インフルエンザ薬としては、耐性ができやすく、
効果があるのはA型だけで、B型には効かない。
似たような薬で「マンタジン」という薬がある。
これはアマンタジンより副作用が少ないが、日本では承認されていない。

新しい薬開発されなくても、
このように既存の薬が治療薬に使える、という発見にも期待できる、
というのは、持病を持つ患者にとっては、
大きな希望になりますね。
このような例はいくつかあるようですから。

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