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2018年11月9日金曜日

新しいインフルエンザワクチン

インフルエンザワクチンが卵で培養される、というのは前回書きましたが、
これでは生産に時間がかかりすぎ、
新型のパンデミックに間に合いません。

そこで新しい製造方法として、細胞培養、という方法があります。
アメリカではすでに承認されています。
https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/43497/Default.aspx
この方法では、哺乳類の細胞で培養します。
細胞さえ用意しておけば、いつでも短期間に大量のワクチンを製造することが
できるのです。
将来はこの方法にスイッチするようです。

そのほか、卵を使ってワクチンを製造すると、
ウイルスが卵の中で変異してしまうということが起きます。
これを卵馴化、というようです。
そのせいで、ワクチン接種をしてもインフルエンザにかかってしまうのです。
それを防ぐためには、卵での変異が小さい株を世界中から探してくる、
というのが今できる唯一の対策です。

しかし、細胞培養なら、この変異を回避または軽減することが可能になります。
要するに、インフルエンザにかかるのを防げる予防接種を作ることが
できます。
今のA型の流行の主であるH3N2の中にもたくさんの種類があるのですが、
今はその中から変異の少ない種類しか使えないのが、
細胞培養では、使える種類も多くなります。
しかし、お値段は高いようです。

細胞培養は、メリットがたくさんあるのです。
日本では世界で唯一、国家プロジェクトとして、この細胞培養を推進しています。
その目的は、パンデミック時に、全国民分のワクチンを製造することです。
しかし、パンデミック時だけの対応だと、それまで施設が休眠してしまい、
緊急時に対応できなくなってしまいます。
そのため、この施設を季節性インフルエンザにも使うという計画に変更されました。
数年で実用化されそうです。
これが実用化すれば、インフルエンザに感染することのない
ワクチンができるでしょう。

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