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2019年1月9日水曜日

肺の加齢による変化

老化の定義とは「加齢とともに臓器の機能、またそれらを統合する機能が低下し、
個体の恒常性を維持することが不可能になり、やがて死に至る過程」だそうです。
中でも肺は、老化が顕著に表れる臓器。
それは呼吸によって外界と常に接しているため、ウイルス、粉塵、
ガスなどに暴露しています。
その影響は年を経るごとに蓄積し、影響を及ぼすのです。
ですから、肺は加齢による変化と、病的な変化をまったく分けて考えることが
難しいと言います。

健康そうに見えても、肺の機能は年齢によって確実に低下していきます。
この傾向は60歳以降、特に顕著です。
肺の中でガス交換をするのは肺胞ですが、
この肺胞は老化で、弾力性が低下し、肺胞数も減少します。
ですから、ガス交換の効率が低下し、血液中の酸素量が減少します。
また、呼吸をするための筋肉、呼吸筋の劣化でさらに効率が悪くなります。
呼吸筋の劣化で肺に痰が溜まりやすくなります。

肺胞の表面積は25歳まで増加しますが、30歳以降減少がはじまり、
年に4%程度減少し続けます。
70歳にはピーク時の15%程度減少しています。

胸郭(胸をとりまく骨格)は年齢とともに次第に固くなっていきます。
その原因は肋骨、胸骨、脊髄などの石灰化。
固くなった胸郭を動かそうと、呼吸筋は一生けん命力を入れて頑張る、
そこで呼吸筋が酷使されることになる。
呼吸筋の低下は、男性よりも女性のほうが大きい。
しかし呼吸筋は恒常的に使われているので、
他の筋肉よりは減少が少ない。

座っていることの多い生活では、筋肉量は低下し、脂肪量が増加する。
この状態では、筋毛細血管網のの減少と、酸素化活性の低下がおこる。
そして最大酸素摂取量が低下してしまう。
運動を始めると酸素摂取量は増加するが、それが時間がたっても
一定になると、これを最大酸素摂取量という。
これは年齢とともに低下する。
これは運動能力の低下を意味する。
しかし高齢になっても運動をしている人はこうはならず、
各能力の増加が見込める。

睡眠時呼吸の異常は、家で暮らす高齢者より、施設で暮らす高齢者の方が多く
見られる。
その原因は薬の多用、日光にあたる機会の少なさ、活動量の少なさ、
昼寝などがあげられる。
施設の高齢者はそのどれも当てはまります。
やはりできるだけ家で自分で生活するのが望ましいようです。

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