筋肉が解けて、その成分が血液に入り、
それが腎臓の機能を阻害して命に関わる、という病気です。
解け出たミオグロビンは他の臓器にも影響を及ぼします。
筋肉が解ける?どろどろになるわけではなく、成分が溶け出す、という感じ。
これが抗生物質キノロン系の副作用にあります。
服用後数日以内に発症するので注意が必要。
極めて稀な副作用です。
副作用の場合、はじめに筋肉痛がおこります。
太ももからはじまることが多いようです。
他にも、手足、肩、腰、全身の筋肉。
見に覚えのない筋肉痛を感じたら、病院で血液検査をしましょう。
他に尿の色が赤褐色になる。
手足が腫れる、手足に力が入らない、だるい、これらがあったら副作用を疑います。
尿が出にくい場合は腎臓に損傷が起きているかもしれません。
横紋筋融解症はほかの薬でも起こることがあります。
リピトール、血圧治療のアムロジン、高脂血症のスタチン系フィブラート系、
テオフィリン抗菌薬、マクロライド系抗生物質(クラリスロマイシン)
抗精神病薬、全身麻酔などです。
ほかには低カリウム血症をおこす薬にもこの副作用があります。
グリチルリチン製剤と甘草を含む漢方薬、利尿剤、ステロイド。
重度の熱中症、ウイルス感染、
クラッシュ症候群といって重たい物の下敷きになった場合にもおこります。
テオフィリン、キノロン系の抗菌薬が横紋筋融解症をおこす理由は、
これらの薬は血液の細胞外液中のカルシウムイオン濃度
(通常は1%)を上昇させる。それにより活性酸素が過剰に生産され、
細胞障害がおこるためです。
薬の副作用の場合は、服用を中止することで悪化を防げます。
横紋筋融解症は重症の熱中症でおこる代表的な症状です。
こちらのツイッターには、体育祭の次の日の夜に救急病院に駆け込んだ人の、
体験が書かれています。
https://twinavi.jp/topics/lifestyle/5b5148b2-3ff0-49e9-9952-5df55546ec81
体が痛い、という特有の症状が出ていいたのですが、家族は気が付かなくて、
医師から「あと半日早く来てくれたら、こんな重症にならなかったのに」
と言われたそうです。
その後何年も、肝機能の経過観察で病院に通ったそうです。
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