熱中症になったら、とにかくすぐに冷やす。
海外では、氷のどっさり入った水風呂に15分以上つかるのだそうです。
そこまで徹底的に冷やさないと助からないのです。
日本では本気でそこまで冷やすことがないので、
毎年千人近くの人が熱中症で亡くなってしまいます。
日本では太い血管の通っている所(首、わきの下、鼠径部)を氷嚢で冷やす、
霧を吹きかけて扇風機で風をあてる(気化熱で冷やす方が効率が良い)
濡れタオルをかてて、あおいで風を当てる。
などが体温を下げるために行われます。
病院では、冷却マットの上に寝かせる。
体に冷却パッドを張り付けて冷やすということも行われます。
他には、体の中から冷やす、という方法があります。
胃や膀胱に管を挿入して、冷却水で胃壁や膀胱壁を通っている血管を冷やのです。
この方法では冷却した生理食塩水を入れては出す、ということを繰り返します。
体の血液自体を冷やす方法としては、人工透析で血液が外部にある間に血液を
冷やして戻します。
最近開発され、臨床応用されている方法は、
血管内に留置したカテーテルの表面につけたバルーンの中に冷やした生理食塩水を
入れて、流れる血液そのものを冷やします。
早く冷やさないと、熱で体のあらゆる所に障害が出てしまいます。
横紋筋融解症というのがあります。
解けた筋肉の物質ミオグロビンが血液中に放出されて、それが腎臓に到達します。
尿細管閉塞をおこした腎臓は、急性腎不全をおこします。
こうして多くの臓器が損傷をおこし、
最後には多臓器不全で死亡します。
熱中症では、急性肝不全もおこります。
もう肝臓の組織が死んでしまい、機能していない状態なので、
この場合は生体肝移植や、人工肝補助療法で生還した人もいます。
人工肝補助療法を受けた15歳の男性は14日目に意識を取り戻しました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjaam/22/6/22_6_277/_pdf
学校で熱中症の応急処置を、部活をする全員に周知徹底するべきです。
すぐに体を冷やさないと、取り返しがつかなくなります。
テニスの練習で熱中症になり、重度の障害者になってしまった子がいます。
見えない、話せない、食べられない、寝たきり状態です。
最高裁は県に2億3千万円の支払いを命じました。
ネットには熱中症で死んでしまった子の話があふれています。
そして、学校は裁判で負け、
6000万円レベルの損害賠償金が支払われています。
責任は学校にあるからです。
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