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2019年11月27日水曜日

熱中症で神経学的後遺症

神経学的後遺症とは、言語障害、運動失調、まひ、などです。
オーストリアの研究では、熱中症90例のうち、2割が死亡、
2割に長期にわたり神経学的後遺症がみられた、ということです。
https://www.carenet.com/news/general/carenet/46232

また神経学的後遺症を患う患者の7割以上が、
長期の小脳機能障害であった。
小脳が司るのが運動調節機能。
筋や腱、関節からの深部感覚や内耳からの平衡感覚、大脳皮質からの情報を受けて、
運動の強さや力の入れ具合、バランスなどを計算して調節します。
これらの機能に障害がでてしまうのです。

そして研究者たちは、これらの症状が、年齢が基礎疾患に関係なく
おこっていることから、
熱中症の予防、治療により一層積極的に介入することが必要だとしている。

日本の研究では、2006年、2008年の1441例から、
中枢神経系後遺症22例、高次脳機能障害15例、嚥下障害6例、
小脳失調2例、失語及び植物状態1例(重複あり)
熱中症Ⅲ度(重症)で後遺症が残らなかったのは286例。
http://www.jaam.jp/html/nettyu/2207nakamuraronbun.pdf

これらの症状が起こる原因は、熱による直接の神経細胞障害だけではなく、
過剰なサトカイン、血液凝固による血栓、血管内皮細胞の障害なども
あげられている。

このように怖ろしい後遺症を残すのが熱中症です。
「こまめな水分補給を」なんてのんきな注意喚起はもうやめて、
もっと危険を周知するようになってほしいものです。
重大な後遺症をもったまま生きていくのは、
本人はつらいし(それが認知できない場合もある)、家族にとっても悲劇です。
精神的にも、経済的にも厳しい現実があります。

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