Dダイマーという検査で、血栓の有無がわかるということです。
新型コロナウイルスで血栓ができる、それが病状の急変の原因だとわかってきました。
この血栓が脳にできると脳梗塞、心臓で血管がつまると心筋梗塞になります。
血栓の中には足でできた血栓が血液で運ばれて、肺の血管を詰まらせるものがあります。
そうすると短時間で呼吸ができなくなり、急変することになります、
これが肺血栓塞栓症です。
新型コロナウイルスの重症者では、
肺炎では説明のできないほど短時間で症状が悪化する場合が多いのですが、
これらの患者を解剖したところ、
肺の血管が血栓で詰まっていたのが見つかりました。
死亡の原因が肺炎だけでなく、肺血栓塞栓症だったのです。
これでは助かりません。
Dダイマーという検査ですが、血栓ができている、ということはわかっても、
それがどこにあるのかは、他の検査をしなければわかりません。
新型コロナウイルスでは免疫の暴走によって血栓ができることは
早くから知られていました。
重症者には免疫の抑制と血栓の治療が行われてきました。
血栓の治療には、血栓ができにくくする薬と、血栓を溶かす薬があります。
ここまでは新しい厚労省の治療の指針に書かれています。
なので、ここまではテレビでも流れた情報です。
この方針で治療すれ大丈夫、とならないのがこのウイルスの厄介な所。
実際に、ハリウッドの俳優が新型コロナウイルスにかかり、血栓の治療をしました。
彼の血栓ができたのが足だったため、その時は大事には至らず、
抗血栓薬で治療をはじめたのです。
しかしその副作用で腸から出血したため、血栓の治療を中止しました。
その結果足の血管が完全に詰まってしまいます。
こうなると足が壊死してしまうので、切断するしかありません。
彼の友人たちは、彼の家で車椅子が使えるような工事を支援した、ということです。
そうなんです、血栓の治療はけっこう怖いんです。
でも血栓ができると、はじめに書いたようにすぐに命に関わりますので、
ここは躊躇なく治療を開始します。
しかし抗血栓薬の服用によって胃や腸に潰瘍ができることがあり、
その症状として腸からの出血がおこります。
近年は消炎鎮痛剤と抗血栓薬による小腸からの出血が増加しています。
高齢化で抗血栓薬を服用する人が増えているのもその原因でしょう。
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