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2020年5月31日日曜日

集中治療を譲る意思カード

「集中治療を譲る意思カード」は高齢者が本人の意思で、
自分より若い人に人工呼吸器などの医療機器を譲ります、というカードです。
素晴らしい合理的な発想だと思います。
パンデミックで感染爆発がおきて医療崩壊した時のために、医師が考案しました。
その医師の意図は、高齢者につながっている医療機器を外す選択をする
医師の精神的プレッシャーを軽減したいから、ということでした。

テレビに出ていた日本の高齢者たちは「なんでそんなことしなきゃいけないのよ」
という人が多かったです。
高齢芸能人たちも、次々とそのような発言をしています。

しかし、海外では実際に自分から「私の機械は外して若い人に付けてちょうだい」
というご婦人がいらっしゃいました。
彼女はその後亡くなった、ということです。
彼女は、今までとても良い人生を送ってきたから、これからの時間を若い人に
譲りたい、ということをおっしゃっていました。
「タイタニック」という映画で、高齢男性が若い女性に救助ボートを譲って、
その後海に沈んで見えなくなってしまう、というシーンを思いだしました。

先ほどの高齢者のリアクションですが。
なぜ譲るのか?それは地球上の全ての生物が、子孫を残すためだけに存在している、
というのが常識だからです。
全ての生物は、子孫を残すことだけが自分の生きている理由なのです。
タコは卵を守るために食事もしないで1ヶ月ほど巣を守り、そのために餓死するのです。
クジラも授乳の期間は数か月何も食べずに暖かい海で子育てをします。
クジラは急いで極地の海に帰らないと餓死してしまいます。
皇帝ペンギンも、卵を守るために敵のいない南極のブリザードの中で卵を抱えるのです。
卵を放棄して、暖かい海で楽しく魚を食べている皇帝ペンギンなんていないのです。
それが地球上の生物です。
人間だけは自己のために存在すると豪語しておいて、
それでも高等生物と言えるのでしょうか?最も下等な生物になってしまいます。

そんな話はさておき、実際に欧米の病院では、早くから
高齢者の人工呼吸器をはずして若い人につける、ということが頻繁に行われていました。
医学は合理的なのです。
絶対助からない人に医療資源を使うのは無駄ですから、そんなことしません。
たぶん日本でも高度な医療崩壊がおこったらそうなるでしょう。
これを「トリアージ」と言います。
その時にこういうカードを持った善良は高齢者の方がいたら、
医師は感謝して迷うことなく時間を無駄にせず行動をおこすことができるのです。

今ブラジルではソーシャルディスタンスなんて無視する大統領のもと
感染爆発がおこっていますが、
この内閣の閣僚の1人が、死亡するのはほとんどが高齢者、という話を聞いて
「それはけっこう」と言ったと複数の関係者が証言しています。
これで年金の赤字が減って、財政が健全化する、良かった、というのです。
このカードはそういうことではないですからね
くれぐれもお間違えの無いように、お願いいたします。

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